ネズミの飼育

・スナネズミ

・デグー

・チンチラ

・カイロトゲマウス

スナネズミ

中国北東部、モンゴル、ロシア南東部に生息しています。

野性下では集団で生活している為、多頭での飼育も可能です。

水分の代謝の関係上、体温を下げることができません。

適温は20度～26度でこの範囲を超えると活動性が低下します。

飼育ゲージ

ジャンプ力があるので深さのある飼育ケージが良いと思います。

スナネズミは巣穴を掘る動物で床材をまき散らします。

水槽で飼う場合は脱走防止と通気性の観点から金網の蓋があると良いと思います。

また、穴掘りをするのでプラスチックなどは引っ掻き傷ができやすいです。

単独での飼育なら給水器や回し車の取り付けできるハムスター用のケージという選択もあります。

餌

スナネズミは雑食です。

基本的にはハムスター用のペレットで飼育することができます。

野菜なども食べますが、アルカロイドを含む野菜（ネギ類、ナス科の野菜）は与えないで下さい。

コオロギやミールワームなどの昆虫も食べますが、あげすぎに注意しましょう。

給水器

置き型の給水器は穴掘りの際に体当たりして倒してしまうことが多いです。

水槽の場合、吸盤で取り付けるタイプのものも使用できます。

ただし、吸盤が汚れや劣化で吸着力が落ちることがあるので注意しましょう。

水槽で金網の蓋を使っている場合、天井から針金で吊り下げられるタイプの給水器がおススメです。

床材

スナネズミは飛び跳ねることも多いので着地した時の衝撃を和らげるため床材があると良いです。

木や紙のチップ、牧草などがありますが穴を掘る特性があるのでチップ上のものがおススメです。

また、木や紙のチップはおしっこなども吸収したり保温のメリットもあります。

トイレットペーパーの芯や新聞紙などを与えると自分で細かくして床材や巣作りに使ったりします。

回し車

スタンド型は押し倒したり、スタンド部分を齧ってしまうことがあるので注意しましょう。

ハムスター専用のケージでは回し車が取り付けできるものがあります。

回し車は尿や糞で汚れるので定期的にきれいにしましょう。

また、回し車も齧ることがあるので使用に問題がないか時々確認しましょう。

齧り木

スナネズミは切歯が常生歯といって伸び続ける歯なので常に何か齧っている必要があります。

また、齧ることでストレスも発散させるので齧り木を与えると良いです。

飼育用品も齧ることがあるので適宜飼い替えましょう。

砂浴び用品

飼育下ではハムスター用の砂浴び用の砂（バスサンド）を用意すると砂浴びする様子も見れます。

個体の好み（砂の種類など）や習慣によっては砂浴びをしない場合もあります。

隠れ家

ハムスター用の市販のハウスがあるので代用できます。設置してあげればスナネズミが休んだり、出産などの場合に利用できます。

また、齧り木の代わりに齧ったりすることがあります。汚れや損傷がひどくなったら新しいものに交換してあげましょう。

保温器具等

基本的に室温を空調等で適温の範囲内に調整できると良いと思います。

特に夏場は素焼きやアルミボードの板などを置いて涼めるようにしておくと良いと思います。

デグー

デグーは南米のチリのアンデス山脈で生息しています。

デグーが生息している場所は草地もありますが、草の生えてない場所や岩場で覆われた大地もあります。

夏は乾燥し気温は40度を超えることもあり、冬は雨も多く気温も0度になることがあるそうです。

飼育下では寿命が7年～10年ぐらいですが、野生化では環境の過酷さもあり、2年目を超えられない事もあるそうです。

デグーを飼う前に

デグーはケージの掃除や食事の用意など毎日の世話が欠かせません。
トイレも覚えないので掃除は小まめに行う必要があります。
病気になったり、年を取れば通院や看病も必要になります。

デグーは齧るのが好きなので飼育用品は消耗しやすく、牧草もたくさん食べます。
冷暖房も必須ですし、病気になれば高額な医療費も必要になります。
なので経済的な余裕も必要ですし、旅行で家を空ける際は代わりにお世話をしてくれる人が必要になります。

多頭飼育では仲間と遊べるので短頭で飼うよりは懐きにくく、短頭飼いの方が比較的飼い主に懐きやすいです。野性下では他のげっ歯類に近寄ってコミュニケーション行動をとることがあり、チンチラとは巣を共生することがあります。

短頭で飼う場合はスキンシップの時間をきちんと取ってあげましょう。また、学習能力があり嫌な事も覚えるので接し方にも気を付けましょう。

好奇心が旺盛でコミュニケーション能力が高く鳴き声も15種類以上あるといわれています。知能も三才児程度はあるといわれており、社会性もあるので慣れやすくペットとしての人気もあります。

ただ、デグーも他のペットと同様に個体ごとの個性があります。実際に迎え入れるまでの飼育環境や親や兄弟姉妹と一緒にいた期間なども違います。なので、慣れにくかったり、噛み癖があったり、警戒心が強いといった場合もあります。

飼育ゲージ

デグーは歯の力が強いので頑丈なケージを選びましょう。また、動き回るのでなるべく広くある程度の高さがあると良いです。木製のステップやハウス、齧り木などを立体的にレイアウトしてあげると良いでしょう。

また、デグーも高齢になると運動能力も衰えるので高所から落下して怪我をする可能性が高くなります。ケージのレイアウトも見直し安全面への配慮も必要になります。

餌

デグーは完全な草食性で体内でビタミンCを作ることができないと言われています。与えるペレットもビタミンCを配合した専用の餌にしましょう。また、糖分を代謝しにくいので糖分が多い果物などは与えるのを控えましょう。

デグーは切歯と臼歯が常生歯（伸び続ける歯）です。野生化では牧草や種子、樹皮などを食べているので歯を摩耗して調整しています。飼育下では餌が市販のペレットだけでは歯が摩耗せず、伸びすぎて不正咬合の原因になりますので牧草なども与える必要があります。

給水器

複数で飼育する場合、給水器を取り合うことがあります。ケンカになることもあるので複数用意してあげると良いかもしれません。

床材

金網のケージの場合、網底のままで飼育するという方法があります。また、糞や尿で汚れることもありますが、網底の上にスノコを敷くことで足への負担を減らすことが出来ます。さらに牧草を敷いて上げれば緩衝性が向上します。ただ、網底の場合は牧草が下に落ちやすいので小まめに補充する必要があります。

ガラスの水槽で飼う場合、木や紙のチップ、牧草、新聞紙などハムスターなどの小動物を飼育する時と同じように買う方法があります。また、チップの上に牧草などを敷いて上げればチップは尿などを吸収してくれますし、牧草は餌としても役立つのでお勧めです。

回し車

運動不足とストレス解消の為に回し車を設置するとよいです。体の大きさから25㎝程度が妥当な大きなになります。

回し車には固定式のものとスタンド式のものがあります。固定式の場合はケージと回し車の間に挟まれないように設置しましょう。スタンドタイプの場合、回し車を回している時にバランスを崩して倒れたり移動することがあります。なので、安定性のあるものを選びましょう。

また、回し車も金属製の金網上のものとプラスチップ制のものがあります。特に金網上のものは隙間に足を挟んだり、前歯を挟んでしまうことがあります。プラスチック製のものは齧り癖のあるデグーだと齧ることがあるので注意しましょう。

デグーは回し車の上でも糞や尿をするので定期的に洗いましょう。汚れたまま使用を続けると体や特にしっぽに汚れが溜まりやすくなるので気を付けましょう。

齧り木

歯の伸びすぎを防止するほかにストレスを解消をする目的もあるので、市販の齧り木を与えてあげましょう。また、木製のハウスや藁でできた籠でも代用できます。

砂浴び用品

デグーは砂浴びをすることで体の汚れを落とします。また、砂浴びをすることでストレスも解消しています。

デグーの2倍ぐらいの大きさの瓶などの容器に2，3㎝ほど砂を敷いて上げてください。

毎日でなくてもデグーの性格に合わせた頻度で砂浴びをさせてあげてください。

また、砂は市販されているデグー用の粗目の砂をお勧めします。

ステップ

デグーは険しい岩場や断崖のある山岳地帯で生活しています。そのため運動能力も高いのでステップを立体的に設置してあげて運動不足を予防しましょう。大きめのステップを設置すれば休憩スペースにもなります。齧り木の代わりに齧られて小さくなったり汚れたら新しいものに交換しましょう。

隠れ家

ハウスの中や天板の上で休むことが出来ます。配置も金網のケージであれば側面にねじで固定することが出来る製品もあります。ステップなどと組み合わせて立体的な配置にするのもいいと思います。

ハウスの床も藁の布団などを使ったものもあります。また、寝袋やハンモックなど木製のハウスに代わる製品もありますので個々のデグーに合わせて設置してあげましょう。

保温器具等

暑い時に体を冷やすには大理石やアルミのボードがあります。保温のために床に設置するものと壁にかけるペットヒーターなどがあります。

健康面

歯：切歯は生後6か月以降はオレンジ色になるのが正常です。歯の色が健康のバロメーターにもなるので時々確認しましょう。また、デグーの歯は一生伸び続けます。なので、ケージなどを齧っている内に嚙み合わせが悪くなったり、繊維質の足りないものを食べ続けると歯が伸びすぎたりします。見た目で分からないこともあるので普段の様子も気にかけましょう。

毛並み：しっぽにも毛が生えているので汚れていないか、ハゲていないかなど確認しましょう。回し車で運動したり、ケージ内を走り回ったりしていると尾がこすれて剥げてしまったり、擦り傷ができる事もあります。また、排泄物で汚れることがあるので

お尻：泌尿器や生殖器から出血や分泌物はないか、オスはペニスが出たままになっていないか。また、肛門の周辺が下痢などで汚れていたり、陰部の周辺が尿などで汚れていないかもチェックしましょう。

保温器具等

基本的に室温を空調等で適温の範囲内に調整できると良いと思います。

特に夏場は素焼きやアルミボードの板などを置いて涼めるようにしておくと良いと思います。

チンチラ

南米チリの標高400～1650mの山岳地帯に生息しています。

産地の岩場で家族単位で集団生活をしています。

飼育下の寿命は15年程度だが、20年以上生きる個体もいます。

夜行性の為、昼間は静かな環境が用意できると良いです。

湿度に弱く、乾燥した環境を好みます。

適温は22度ぐらいで高温にも低温にも弱ので温度管理が大切です。

飼育ゲージ

チンチラは体格も大きく、運動能力も高いので運動できるように大きめのケージを用意しましょう。また、飼育用品も設置する必要があるのでレイアウトも考えながらケージを選びましょう。ケージの扉の位置も飼育用品の出し入れやチンチラとコミュニケーションを取る時に無理がないかを注意しましょう。

餌

草食性のためチモシーなどの牧草を主食にし、チンチラ用に配合したペレットを副食として与えましょう。

普通の野菜や果物にあまり興味を示しませんが、乾燥させたものは概ね喜んで食べるので少量の「おやつ」として与えることができます。

チンチラは甘いものが大好きですが、容易に偏食するので嗜好性の強い「おやつ」は極力与えないようにしましょう。偏食になると普通の餌を食べなくなり、不正咬合の原因や偏食による内臓疾患などを起こす可能性があります。

給水器

チンチラは他の小動物よりも体格も大きいのでボトルも体格に見合ったものを用意しましょう。

ウサギやフェレット用の給水ボトルで代用することが出来ます。

床材

ケージの網底で飼育する場合

排泄物は下に落ちるので汚れはたまらないですが、週に1度はきれいに拭きましょう。網底で長期間飼育すると足の裏を痛めることがあるので小まめにチェックしてあげて下さい。また、金網に足を引っかけて怪我をする可能性もあるので注意しましょう。

皮膚の弱い子やベビーのチンチラを飼育する場合、底網だけでの飼育はあまりおすすめできません。妊娠しているチンチラの場合も子どもを産んだ際に金網の下に落ちる可能性があるので床環境を変更することをおすすめします。

スノコを使用する場合

市販のスノコは木製とプラスチップ製のものがあります。木製であれば齧られたり、汚れたりするので消耗の具合に応じて買い換えましょう。プラスチック製のものも齧られることがあると思いますが、汚れに関しては拭き掃除や丸洗いを行えば長期間使用することが出来ます。

回し車

チンチラは体が大きいのでなるべく大きめでしっかりしたものを用意しましょう。30㎝以上が好ましいです。また、身体が大きく回し車に加わる力も大きくなるので固定式の場合は固定金具にゆるみがないか定期的に確認する必要があります。

齧り木

チンチラは他のげっ歯類と同様に歯が一生伸び続けます。なので、硬いものを齧って歯が伸びすぎないようにしています。様々な形状や材料の製品が出ていますので飼っているチンチラの好みに合わせて与えると良いと思います。

砂浴び用品

チンチラは身体に付いた汚れを取るのに砂浴びをします。また、チンチラは毛質を保持する為に体表からラノリンという油を分泌します。チンチラの毛は細かく高密度です。なので毛についた汚れを放っておくと毛が絡まって毛玉を作り、飲み込んでしまったり皮膚が引っ張られたりしてストレスの原因にもなります。

砂浴びにはチンチラ用の細かい砂が市販されています。また、砂浴びには蓋が付いた容器か返しが付いた容器の方が舞った砂が外に出にくいです。

ステップ

チンチラは標高の高い山脈の岩場で生活しています。ステップを設置すると本来の生活環境に近づけることが出来ます。運動能力も高いので、足場を作ってケージ内を立体的なレイアウトにすることで運動不足を解消できます。また、大きめのステップがあれば休憩するスペースにもなります。

ステップは齧られたり尿で汚れることがあるので必要に応じて交換しましょう。

隠れ家

体格がいいのでしっかりしたつくりのものを使いましょう。木製のハウスや藁でできたハウスもあります。また、砂浴び用の容器で兼用できるものもあります。

トイレ

チンチラは決まった場所でトイレはしません。そのため、砂浴び用の容器やステップ、エサ入れやケージの外などに糞や尿が飛び散ることがあります。そのことも考慮して掃除を行いましょう。

また、ケージにトレーが付属している場合、トイレ砂やトイレ用木質ペレットなどを敷いて上げるとトレーに落ちた尿を吸収してくれるので匂いも出にくく、掃除もしやすくなります。

保温器具等

基本的には室温を空調等で適温に調整できると良いです。あとは夏場であれば素焼きの板やアルミボードなどで涼めるようにし、冬場であればパネルヒーターや保温球などでチンチラが自分で調整できるように環境を整えましょう。ただし、保温器具は低温火傷やケーブルを齧って感電するといった可能性もあるので注意しましょう。

カイロトゲマウス

アフリカ北部、アフリカ東部、中東の砂漠や荒野の乾燥地帯に生息しています。

背中に生えたトゲのような固い毛は体の熱を放散する為にあると考えられています。

多頭飼育も可能ですが、相性が悪いと噛みついたり、ストレスで背中のトゲを抜くことがあります

身軽で嚙む力も強いのでケージも丈夫なものを選びましょう。また、動きも素早いので脱走には注意しましょう。

飼育ゲージ

活発に動き回り宙返りもするので高さのある飼育ケージが好ましいです。

また、噛む力も強いので耐久性のある水槽がおススメです。

水槽で飼育するのであれば爬虫類・両生類用の水槽の天板が売っているのでお勧めです。

餌

ハムスター用のペレットで飼育できます。

おやつにコオロギなどペットショップで購入できる昆虫を与えてもいいかもしれません。

給水器

噛む力が強く、小柄でジャンプ力も強いです。吊り下げ型の給水器だと張り付いて齧ってしまうことがあります。定期的に確認しましょう。

体重が軽いので倒れにくい重さの置き型の給水器もおススメです。

床材

木や紙のチップなどがおススメです。尿はケージの隅にする様子も見られるようですが、糞はどこでも関係なくするようなので汚れがひどい所は床材を交換し、定期的にケージを丸洗いなどすると良いでしょう。元々、生息地域が砂漠なので小動物用の砂を使うのもいいかもしれません。

回し車

結構なんでも齧ってしまいます。回し車も使用に問題がないか小まめに確認した方が良いです。

齧り木

他のげっ歯類と同様に齧るのが好きなので、ストレス解消と歯の伸びを防止するために齧るための木片があると良いです。

隠れ家

好奇心は旺盛ですが、臆病な面もあります。多頭での飼育では身を寄せ合う仲間がいるのでいいですが、特に短頭での飼育の場合、身を隠せる隠れ家があるといいかもしれません。

保温器具等

基本的には室温を空調等で適温に調整できると良いです。あとは夏場であれば素焼きの板やアルミボードなどで涼めるようにし、冬場であればパネルヒーターや保温球などでチンチラが自分で調整できるように環境を整えましょう。ただし、保温器具は低温火傷やケーブルを齧って感電するといった可能性もあるので注意しましょう。

注意点

相性がよければ多頭飼育もかのうです。しかし、気の強い部分もあるようで他のトゲマウスの毛をむしったり、しっぽを噛むなどすることもあります。なので同じケージで複数飼う時は様子を気にかけて状況によって飼育ケージを分けるなどしましょう。